千葉県エバーグリーンスカウターズクラブ副代表幹事 阿部 猛郎 氏
217日に及ぶマフェキングの包囲戦が終わり、英国の名誉を守ったB-Pは1907年、その生き方を大きく転回させボーイスカウト運動に身を投じた。それは何故か? 浅学の批判覚悟で推測すれば、それは彼が多彩な才能を持った〈軍人〉であったればこそ得られた信念 ― 例えば戦場における少年兵の勇敢に活躍する姿、未開地の部落での少年を一人前の成人にさせる特異な風習など、直接自分の見聞から得た “戦争では決して平和は望めない” “少年を正しく教育することこそが人類の平和への道程である”という信念 ― があったからだと推測される。
さて、近年のスカウト活動に眼を向けると、B-P祭を初めとする彼の偉業にまつわるプログラムが減少しているように感じられる。隊指導者や保護者がボーイスカウトであることの意義を深く理解する状況が底流にあってこそ、この運動は広がっていくものと考える。関係諸氏のご助言・ご後援を願えれば幸いである。