自然と人間とロボットと

発明家 / 株式会社オリィ研究所 所長(代表取締役 CEO) 吉藤 オリィ 氏

ボーイスカウト日本連盟創立100周年、心よりお祝い申し上げます。
幼い頃より私は集団行動が苦手で、指示される事が嫌いで、理解できないルールや掟が嫌いで、また運動も嫌いな子どもでした。ボーイスカウトの隊長であった父の影響でビーバー隊に入ったものの、よく活動から逃げ出しては隊長や副長に叱られていました。ただ、ロープワークやクラフト、火付けや自然観察は大好きだった私に、隊の仲間達は立ちかまどを作らせたり、地図や旗づくりなどを任せてくれました。私は学校でも馴染めず小5から不登校・ひきこもりとなるのですが、習い事のほとんどを辞めてもボーイスカウトだけはひとつの居場所として続け、任される役割を貰えた事であの辛い時期を乗り越える事ができたように思えます。
私のような異端・異質なものを受け入れ、できる事を考えて与えて頂いたこと、迷惑をかけてばかりで感謝が枯渇した私に感謝を強いず、感謝をしてくれたこと。それらはその後の私の人格形成に大きく影響を及ぼし、大学4年間はキャンプ場でのボランティアを経て、今は例え寝たきりになっても社会と繋がれて、重度障害があっても役割をもつ事ができる分身ロボットの研究開発に人生を捧げています。
我々がこの世に来た時よりも美しく。
次の100年も、次世代に大切なものを繋ぎ、常にアップデートしていける我々でありたいと願っています。

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